決してお役に立って欲しくない、でもあると安心というフレームスライダー。 いざという時にどうなるかというテストは、サポートしているレーシングライダーが身をもって試してくる場合が多々あります。
この火花を曳く転倒シーンは、北カリフォルニアにあるシアーズポイントというサーキットで行われた、AFMレースでのものです。 バイクは’12年モデルのGSX-R1000。 ライダーはJoy Higaというチャンピオン経験もある女性ライダーで、以前から製品のテストをしてくれています。
ハイスピードからのスリップダウンでしたが、幸いなことにケガも無く、スライダーとステップキットのおかげで、バイクのダメージも最小で済んだとの事でした。
転倒前と転倒後の比較写真も送ってきてくれました。 写真を見る限りでの被害は、スライダー、ステップエンド、マフラー、ハンドルバーエンド、ブレーキレバーの擦り傷程度みたいです。 この製品のページはこちらです。
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そしてもう一つの事例です。 こちらはTRIUMPH 675用の右エンジンスライダーなのですが、サーキット走行中に右側にハイサイドで転倒してしまったそうです。
こちらはスリップで滑るように転倒したのではなく、ハイサイドで路面に叩きつけれる形で転倒したため、スライダーに切ってある溝から折れて衝撃を吸収し、エンジンへの被害は免れたようです。
エンジンマウントのスライダー類は、エンジン本体に被害が及ばないように取り付けプレートや、スライダーコーンの強度に注意を払いながら設計しています。 今回の転倒では、こちらの思惑通りにスライダーコンが割れることで衝撃を吸収してくれ、プレート、そしてエンジンには被害が及びませんでした。 製品のページはこちらです。
今回ご紹介したのは、サーキット上でスライダーが本来の仕事を果たし、役に立った事例です。 しかしスライダーは万能ではなく、ある意味 “転ばぬ先の杖” 。 最悪の場合にはエンジンやフレームへのダメージを与えることも考えられます。また、バンパーの代わりにはなり得ないので、一般路上では、くれぐれも安全運転でライディングをお楽しみ下さい!