今話題の1199 PANIGALE。 ラグナセカのDUCATIブースで、エンジンの中身をつぶさに見て、担当の方に色々聞いてきました。
ブースのテント内には、ストリップされた車体と、下ろしたエンジンが展示されています。
エンジンを囲んで説明を聞くおっちゃんたち。 表情がめっちゃ真剣です(笑)
(写真左) カムの駆動が、コグベルトからローラーチェーンに変わっています。 チェーンで駆動されるのはミドルギアなので、カムシャフトはクランクシャフトと逆回り?
(写真中) シリンダーヘッドの燃焼室側です。 このデカいバルブ!! インテークはチタン合金製だそうです。 この燃焼室で、1気筒あたり100馬力近いパワーを絞り出すのですから、すごいです!!
(写真右) バルブを押すアームの摺動部分には、DLC(ダイヤモンド・ライク・コーティング)が施されています。
(写真右) このようにシリンダーヘッドにセットして、バルブを装着したままシート系のメンテナンスが出来るそうです。
(写真左) シリンダーと一体になった左側のクランクケースが、エンジンスタンドに固定されています。 このクランクケース、HONDA NSF250Rとよく似たデザインで、クランク軸受けが半割のプレーンメタルを圧入する形式です。 DUCATIは、1098系のエンジンまで綿々と続いた転がり系のベアリングを捨て、ついにクランクをメタル支持にしたのです。 目的は、クランクケースとクランクシャフトの剛性アップ。 そして高回転化に他なりません。 クランク室とミッション室+オイルパンが、スカベンジポンプを隔てて分けられており、クランクケース内の空気の動きをコントロールしているようです。
(写真右) 圧入されているクランクメタル。 組み込みはNSF250Rと同じで、特殊工具でこの形に組み、その後圧入されます。
整然と並べられた工具箱とパーツワゴン類。 DUCATIショップの整備室をテント内に再現しているみたいです。
(写真左) そんなパーツワゴンの上に、ミッションと謎の治具が・・・。
(写真右) その治具のアップです。 これは、クランクケースがシリンダーと一体式の縦割りのため、クランクシャフトとコンロッド、そしてピストンとスリーブを一体の状態に仮具みし、そのまま片側のクランクケースに収めるための治具です。
(写真右) シリンダースリーブはOリングを挟んでクランクケースに組み込まれ、フランジのすぐ下にあるOリングと、その下の2本のOリングに挟まれた部分に水が通り、冷却されます。
翌日どこまで組み上がったかと見に行ったのですが、すでに完成していました。 クランク+コンロッド+ピストン+シリンダーライナーを、クランクケースに組み込む瞬間が見たかったのですが、残念でした・・・(笑)
お盆明けには届くであろう1199 PANIGALE。 こんな写真を見ているとますます楽しみになってきます!!